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ルフリーク

誰か気づくかな〜、そのうち何か聞かれるかな〜…と思いつつ、なるべく目立たない側に付けていましたが、ついに先日、訊ねられました。「それ、何ですか?」って(笑)。

こういうものをご紹介すると、またまた「お!」とばかりに飛びつくヤカラ諸氏がおられるだろうと思うので、ちょっとためらいもあるのですが、画期的なものだし、ご紹介しておきます。「lefreQue」、霧島国際音楽祭に、エミリー・バイノンが持って来て、紹介していました。開発者のことも個人的に知っているようでした。

「これまでにも楽器の響きをよくするためにいろんな工夫がされてきたけれど、これぞ革命的」という謳い文句で紹介されている「lefreQue」、ルフリーク。正確には「ル・フリーク」です。

カタカナに置いたらどうなるんだろう?とさんざん悩んでいたら、イギリスで修行中の若手フルーティストが、なんと!会社に直接問い合わせて発音を実際に聞いてみてくれました。このお嬢さん、修行中というより、新進気鋭、と言うべきかも。何度か霧島でご一緒しましたが、実に情感豊かな演奏をする人です。

さて、ルフリーク。発想としては、何かを付け加えるのではなく、失われていたものを「戻す」です。楽器は、本当は継ぎ目のない形が理想ですが、現実問題としてそうも行かず、いくつかの部位を組み立てるようになっています。すると、どうしても継ぎ目のところで「音」のいくばくかが失われてしまう……、その失われた音を戻してやろうというのが、この「lefreQue」のアイデアだとのこと。

特にマウスピースと本体の間を「lefreQue」で繋いでやると、作り出された音の響きを逃がすことなくしっかり楽器本体に伝えてくれるよ、ということになります。

素材には金、銀、銅があります。エミリーは本体も頭部管も(メーカーは違いますが)銀製なので、はじめ銀を使ってみたそうです。でも銅の方が響きがよく伝わるような気がしたとかで、けっきょくこちらに落ち着いたとのこと。

私の楽器も銀製で、ちょっと色合い的に迷いましたが、彼女の感覚に従って銅をいただきました。「今日は調子がいいぞ」と思う日は、これをつけるといよいよ鳴りがいいような気がして、とてもハッピィです。ただし、もともと調子の出ない日は、あまり差は感じられません。

霧島でもエミリーが持って来た「lefreQue」を受講生たちが試してみましたが、装着して響きに違いがあったのは、もともとちゃんと「楽器を鳴らしている」人々だけだったというのが、私の正直な感想です。「楽器を鳴らせてない」人々は、つけてもつけなくても「?」でした。

それはもちろん、そうでしょうね。実際に作り出された音を逃がすことなく活かそう、という発想なのですから、そもそも音が作り出されていなければ、逃げるものもないのです。

まだ日本で取り扱っているところはないのかな。興味がおありの方は、ルフリークのウェブサイトから問い合わせてみてください。それとも楽器店にお願いすれば、取り寄せてくれるのかな。プロを目指してコンクールを受けよう、くらい以上のレベルの人でないと意味はないだろうと思うので、普及に貢献する気は少ないワタクシでした。


by akirako-hime | 2011-12-03 13:51 | 笛吹きっぽいひとりごと