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メトロノームとデュオ♪

新しくレッスンに来られる生徒さんに、これは揃えてくださいね、とお願いするものは、譜面台とメトロノームです。譜面台は姿勢正しく練習するため。中級になってくるとチューナーもですが、まずはメトロノーム。

安定した速度で正確に吹けるようにするのは、基本中の基本です。文明の利器たるメトロノームを活用しない手はありません。「安定した速度」とは、「一定のテンポ」のことで、「速いテンポ」ではありません。コントロールの追いつくテンポ、すなわち音や指、アーティキュレーションに気をつけながら吹けるテンポのことです。

「メトロノームに合わせると吹けなくなる」という方は、そのテンポが速すぎませんか? 楽譜に書いてあるテンポは仕上げテンポであって、練習テンポではありません。ややこしい曲なら倍でも3倍でも、吹ける遅さにすればいいのです。

ほんの何人かですが、「メトロノームは非音楽的」とのたまう方にも出会ったことがあります。ふむ。言っちゃいますが、メトロノームにさえ合わせられない人ほど、そういうことを言うようです。「好きに不正確に吹く=音楽的」は、大きな勘違いもいいところ。楽譜に込められた作曲家のメッセージはズダズダです。

フルートの醍醐味の一つは、他の人と音を合わせることにありますが、メトロノームの出すバカの一つ覚えのような正確なテンポでさえ吹けなくて、生身の人間相手に合わせられますか? 全面的に「合わせてもらう」なら別ですが。

使い方も問題です。単にメトロノームを鳴らしていても、合わせていなければただの雑音、使っていることにはなりません。または、仕上げ近くにはじめてメトロノームを使う方もあるようですが、これでは逆です。まずメトロノームできっちりしっかりさらって、仕上げにこそメトロノームを外すのです。ステージにメトロノームを持って出る人はいないでしょう?

ちょっと抽象的ですが、こんな感覚はいかがでしょうか。自分だけが一方的にメトロノームに合わせるのではなく、メトロノームも自分に合わせてくれている、デュエットをしているかのような感覚にするのです。そのためにはまず、メトロノームが出すテンポをしばらく聞いて、自分の中に取り込もうとしてみてください。そしてテンポに乗って吹いてみます。けっこう楽しいですよ♪

by akirako-hime | 2009-06-08 14:39 | 練習のヒントになるかな〜