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神戸国際フルートコンクール ちょっぴり結果考

コンクールも終了、結果も出ました。巷では「意外」という声が多いようです。そうでしょうね(笑)。第一位に輝いたのは19歳のオーストリアのお嬢さん。ほとんどの人がノーマークだったと思います。

事前の下馬評で優勝候補の筆頭だった一人、ロイク・シュネイデルが2位とオーケストラ賞を受賞、もう一人のデニス・ブリアコフは、3位とオーディエンス賞(3次予選にて観客の投票にて決定)でした。

昨秋のランパルコンクール一位の日本人、上野星矢は本選進出ならず、同じランパルコンクールのファイナリストのメーガン・エミは4位でした。エミはモーツァルトの第1楽章で、かなり致命傷とも言える指ミスをしたので、それでも4位に選ばれたというのは、むしろ何かを示したと言えるのかも知れません。

シュネイデルとブリアコフは、すでに大きなコンクールでの受賞歴もあるし、国際的なプロとして活躍もしていますから、きっと一位を目指していたことでしょうね。日本にもファンがいますから、たぶん結果には不満の声が上がっていることでしょう..。

私もこの結果は予想外でしたが、本選でのコッホのモーツァルトは伸びやかで、好感の持てる演奏でした。個人的には、審査委員会の出した結果は、さすが!と言うべきものだったと思います。その一方でチラリと思うに、もし予選と本選の課題曲が入れ替わっていたら、順位は違っていたかも知れませんね・・。

モーツァルトは怖い曲です。華々しい技術や音を見せるような箇所はなく、でもかっちりした基礎力は試され、特にどこがどうという訳ではないのに、演奏の裏付けとなる解釈や、ある種のエレガンスの有無、テンポ感の良し悪しなどが、てきめんに見えてしまいます。

またもう一つ、コッホについては一次予選から、とても印象に残っていることがあります。このお嬢さんは実に明るい笑顔で、まるで演奏するのが待ちきれないかのように舞台に出て来て、演奏が終わるとまた、「あぁ楽しかった!なんて嬉しいんでしょう!!」と言わんばかりの笑顔を見せるのです。この素直さと、おそらくは欲もほとんどなくて臨んだ姿勢が、今回の結果につながったのかもしれません。

いずれにせよ、若い爽やかな新人の登場です。応援しようではありませんか。優勝者の賞の一環である来年の再来日も、とても楽しみです♪

by akirako-hime | 2009-04-07 21:50 | 笛吹きっぽいひとりごと