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目のやり場

フルート吹きには、演奏中、自分の手や楽器は見えません。横目にすれば少しは見えますが、普通には「見えている」という状態ではありません。

先日、コメントで「暗譜で演奏される方で、目線が上に(天井方向に)さまよう方がよくおられる」と書いていただいたのを見て、「そうそう、笛吹きは暗譜のときに目線のやり場に困るのよ」と思い出しました。

ピアニストやオルガニストは鍵盤も自分の手も見えているし、そもそも客席の方を向いて演奏することがありません。弦楽器、また管楽器でも身体の前方に構える楽器なら、見ようと思えば楽器や手を見ることができます。実際には見ていなくても、楽器の方向を見るような姿勢を取れば、何とか様になりそうです。フルートはそうは行かないんですよね。

私は暗譜がキラいなので、楽譜を置きます。暗譜必須の試験やコンクールでは、暗譜自体も好きではない上に、遠視と言っていいほどに遠くまでよく見えることもあって、本番では本当にあれこれよく見えて困ったものです。

目をつむるのは、怖いんですよね。フイッとよろめきそうで・・。私はホールの後方を眺めることが多かったのですが、これねー、ドアが開いたり、審査員が大きく姿勢を変えたりすると、モロに気づいちゃうんですよねー。公開だとお客さんもいますしね。天井を見るのは、私も実は「見場が良くないなぁ」と思うし、不自然に感じるので自分ではしないのですが、気持ちはとってもわかるのです。

楽譜を置くのは、暗譜ギラいに加えて、目のやり場の確保という意味も大きそうです。もっとも楽譜を置いていても、楽譜に集中しているわけではないので、客席の動きはけっこう目に入ります。では、演奏中、何に集中しているかと問われれば、ん〜、何なんでしょう? とにかく音符などの記号ではなさそうです。今さら記号を読まなければいけないような状態で、本番には臨みませんしね..。

さてさて、諸々の暗譜談については、また後日・・。

by akirako-hime | 2009-11-24 13:10 | 笛吹きっぽいひとりごと